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四国逆打ち遍路&尺八 高知編①(39番延光寺) 土井通有

○第4日 2024年10月10日(木)晴れ

 朝の4時半に起床し、出発の準備をします。
買っておいたパンで朝食をとり、トイレを済ませ、足の裏のテーピングをして、準備万端で6時前には出発。
あたりはまだ薄暗い中、伊予と土佐の境界の松尾峠を目指してまず愛南町一本松地区に向かいます。
御荘地区からは国道56号を行く方法と、遍路道を行くのかの2択です。
遍路道は地道や小さな峠を超えるので道がわかりにくい所があるので、今回は国道を行くことにしました。
ただずっと車道に沿って歩道を行くことになります。だから少し退屈なのです。
8キロあまりを2時間ほどで歩き、一本松地区にあるコンビニに到着。
お腹の具合を整えるためにヨーグルトを買って飲み、休憩を取りました。

 ここから南に向かって歩き、松尾峠の登り口に到着(8:59)。
遍路道を登り、途中の休憩所で休みながら松尾峠に到着(9:37)。
すると10人ほどの団体さんが休憩しているところに出会いました。
ちょうど峠の国境の石碑の前で記念写真をとるところだったので、シャッターを押してあげました。
彼らは関東や愛知からの混成のお遍路でした。
私も記念写真を撮り、また宿毛湾の遠望も写真におさめました。

 (写真①:松尾峠の登り口)


 (写真②:松尾峠にて記念写真) 


 (写真③:松尾峠の大師堂(ここで一夜を明かす人もあり))


 (写真④:宿毛湾)


 この峠道は愛媛県側がよく整備されていて歩きやすいのですが、高知県側は坂道が狭く、
しかも急でよほど気をつけて歩かないと滑ってしまいます。
そこをなんとか下って、尾根に沿って宿毛の街に出る遍路道を行こうと思ったのですが、
とにかくその入口を探したのですが、なかなか見つかりません。
あげくのはては文旦(オレンジの一種)の畑に迷い込み、泥棒よけのセンサーがピーッとなる始末。
仕方なく戻って民家の人に宿毛駅に行く道を聞き、そちらに進むことにしました。
やはり逆打ちは道に悩まされます。
峠から2時間ほどで宿毛駅の少し手前にある「スーパーFUJI」に到着。飲み物とパンを買いました。
宿毛駅を通過し、街中を進み川のほとりにあるヘンロ小屋で昼食を取りました(12:35)。

 さらに東に6キロほど先にある39番延光寺に向かって国道56号を進みます。
途中に数人の順打ちのお遍路に会って挨拶をしながら行きました。1時間半ほどで延光寺に到着(14:00)。
いつものように参拝しました。そこには女性2人組のお遍路さんがベンチで休んでいました。
尋ねると、台湾からの歩き遍路だそうです。今やお遍路も国際的です。御経をあげた後、尺八を吹奏しました。

 この延光寺の縁起では、ウミガメが鐘を背負って海から上がってきたという伝説があり、境内には梵鐘を背負った亀の像があります。

 (会報476参照)

 (写真⑤:延光寺本堂)


 (写真⑥:延光寺ゆかりの亀の像)


 (写真⑦:延光寺の亀の前で尺八)


 さて寺を出て、今日の宿「鶴の家」に向かいました。
国道を歩いていると自転車に乗ったおじさんが、欧米系のお遍路さんと話しているところに出会いました。
そこを通り過ぎて宿に向かってしばらく歩いていました。
すると先ほどの自転車のおじさんが追ってきて、お接待の飴などを差し出しました。
「あなたは私が出会ったお遍路の千四百・・番目です。この保冷剤を冷やして首などを冷やすと良いです。
使ってください。」などと言って話しかけてきました。
聞くところによると、彼は毎日遍路に出会うために、ここ平田と宿毛の間を自転車で行き来しているどうです。なんとも危篤な人です。

 しばらく歩くと平田駅の近くにある民宿「鶴の家」に到着(15:15)。
早速お風呂をいただき、洗濯のお接待を受け(洗濯は女将がやってくだしました)、程なく夕食をいただくことができました。
至れり尽くせりに感謝です。

 歩行距離:32.3キロメートル 所要時間:6時間54分