○第7日 2023年3月14日(火) 晴れ
昨日は「民宿いさりび」に逗留し、夕食には新鮮な鯖の刺身が出されました。
さすがに取れたて、堪能しました。朝日が太平洋から昇り神々しいばかりです。
(写真① 太平洋の日の出)
今日は宿から3キロ先の下ノ加江川の河口から県道を歩きます。
ここからは三原村を縦断して宿毛市平田の「鶴の家旅館」を目指します。行程は約30キロあります。
早朝の陽光を受けて今日も変わらぬ遍路です。
昨日一緒だったS氏は「いさりび」から少し先にある下ノ加江川左岸にある「安宿(あんしゅく)」で泊まると聞いていました。
7時過ぎに出発、下ノ加江川に架かる五味橋につき(午前8時)、ここから県道をひたすら川沿いに遡ります。
少し歩くと対向車2台に遭いました。さらにもくもくと歩くこと2時間あまり、なんと対向車も追い越していく車もありません。
もちろん人とも会いません。峡谷の森とその間を流れる川を見ながらひたすら歩きました。
県道なのに余りにも交通量が少ない。三原村の人家が見えたときにはたいへん安堵しました。(午前11時)
(写真② 下ノ加江川)
(写真③ 道端に咲く白花のタンポポ、四国では白いタンポポが多い)
三原村の中心に着くと、「みはらじまんや」という地産の店があり、ここで食事を買い求めをしました。
さらに8キロ余りの道を歩き、宿毛市平田に着きました。ここには「土佐くろしお鉄道」の駅「平田」があります。
そこから歩いてすぐの所に今日の宿がありました。早速チェックインし、明日の朝食と昼食を近くのコンビニへ買い出しに行きました。
この宿では、昨日のS氏と、先日からあい前後して歩く信州の女性(Shinさん)の二人が同宿でした。
歩行距離:31.4キロメートル 所要時間:7時間40分
○第8日 2023年3月15日(水) 晴れ
朝一番に延光寺を参拝したいので、鶴の家の朝食はキャンセルしました。
そこでコンビニで買ったパンとヨーグルトを食べて、6時10分には出発しました。
そこから35分ほどで第三十九番延光寺(赤亀山 寺山院 本尊:薬師如来)に到着しました。
ここは土佐最後の霊場であり、“修行の道場”といわれる高知県の最後の札所です。
この寺の山号は、竜宮に棲んでいた赤亀が背中に梵鐘を背負って現れ、僧たちが早速これを奉納した事に由来します。
この寺の鐘は国の重要文化財です。また大師が錫杖で掘り当てた霊水による「目洗い井戸」が伝わっています。
お遍路者は、この寺の亀の朱印と20番鶴林寺(徳島県)の鶴の朱印を白衣に押してもらい「鶴・亀」とします。私も前回に押してもらいました。
ここではこれからの峠越えなどの安全を祈願し、尺八を奉納しました。
(尺八吹奏「水鏡」の音源)
476suikyou_b.mp3 へのリンク
(写真④ 延光寺山門)
(写真⑤ 本堂前にて尺八吹奏)
ここから宿毛市街を目指し約6キロ、国道56号を行きます。そして市街地を抜け、土佐・伊予の国境である松尾峠を目指します。
江戸時代にはこの峠に番所が置かれ、また松尾大師があったそうです。
峠まで6キロ余りの山道です。あえぎながら急坂を登り、到着(午前11時)そこにはベンチがあり、ここで早い昼食をとりました。
コンビニで買っておいたおにぎりとパン、野菜ジュースをいただきました。ここは見晴らしがよく宿毛湾が一望できます。
(写真⑥ 松尾峠より宿毛湾)
この峠のベンチで二人のお遍路に追いつきました。
一人は昨日同宿の信州の方(Shinさん)、もう一人は昨日東京から宿毛に入り、今日から遍路するE氏です。
少し話をしてから彼らは先に峠を下り、私はまだ昼食を食べていました。そして時間差がありましたが私も道を急ぎ下山しました。
愛媛県側に入ると道は少しよくなり、歩きやすくなりました。やがてShinさんに追いつき、しばらく同行しました。
一本松というところに降りてくると先に行っていたE氏とも合流しました。そこから三人で、のどかな田園地帯を歩いていきました。
やがてまた山道に入り、それぞれのペースで歩くことになりました。
そして遍路休憩所でまた三人が合流したりして、それぞれが第四十番観自在寺(平城山 薬師院 本尊:薬師如来)に向かいました。
今日の宿は門前にある「山代屋」に宿泊します。ここではS氏、Shinさんとジョー氏がともう一人が同宿でした。
歩行距離:32.7キロメートル 所要時間:7時間24分