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           デンマークの尺八奏者キク・デイさんの来日         貴志清一

 私の所に尺八を習いに来ている風さん(Fuu Miyatani French)から連絡があり
(2024年)5月25日にデンマークから来日しているキク・デイ(Kiku Day)さんが西宮の光明寺を訪問するので先生も合流しませんかとのこと。
因みに、米カリフォルニア出身の風さん自身、正式な京都明暗寺の印可を受けた虚無僧であります。
 あいにくその日は稽古日で、仕事の多忙さに月1回しか来れない生徒さんの大事なレッスンがありましたのでキク氏にはお会い出来ませんでした。

 キク氏はご存じの方もいらっしゃるとおり、著名なヨーロッパの尺八奏者でしかも民俗音楽学者でもあります。
 『短笛秘伝譜』(1608年大森宗勲)の翻刻・現代語訳・復元演奏の資料を作成したとき、五調子5本の一節切がなかったので、
 関西一節切研究会として復元製作したとき、研究資料としてこの復元した5本の一節切をデンマークへお送りしたことがあります。

 キク氏とは一節切を含めて、尺八の歴史を語りたかったのですがもちろん弟子の稽古が最優先。
 残念ながらそれは次回の来日のときと言うことになりました。
 風さんが中心になって氏のびっしり詰まったスケジュールの中での「光明寺来訪」を企画したのですが、
 なかなか興味深い内容のものだったようです。
 当日の実際の様子は風さんの記録動画youtubeにあります。
 https://www.youtube.com/watch?v=N_JyTK1pwhU

 また、キク氏の京都明暗寺での免状授与式の様子もあります。
 https://www.youtube.com/watch?v=DYPTZxSBriQ

 その日の様子はキク氏自身のブログで紹介されています。
 以下、引用しますが、英文なのでご参考に私のつたない訳文も付けておきます。
 WEBサイトは以下の通りです。
 https://shorinkomuso.wordpress.com/2024/05/27/shakuhachi-day-komyoji/

 I will start with this post from Facebook by one of the main people in this story:
“When playing shakuhachi – there are always new adventures and a possible expantion of the shakuhachi family lurking around the corner.
 I met up with my friend Sayuri Inoue. We know each other from music conferences.
 We then met Fuu Miyatani French, who took us to Kōmyōji temple where I met the head monk Shibata Gasyou
 (who is a shakuhachi person and a Myōan dōshū) and Ōta san – shakuhachi player, teacher and maker. 
 Very very interesting shakuhachi. He is a student of Monden Tekiku.
 What a joy! We tried each other’s shakuhachi, we played together for hours.
 At the end we had a wonderful meal together. What a day! Osaka rocks!”…Kiku Day 
(貴志訳)
 さて今回は一人の虚無僧のフェイスブックからの話です。
 尺八を吹いていますと色々な新しい、わくわくするような出来事に出会います。
 そして思いもよらない身近なところで尺八仲間との出会いがあります。デンマークから日本に来て友人の井上さんと再会しました。
 井上さんとは何回も音楽会議で一緒になっています。
 私たちは大阪在住の風さん(Fuu Miyatani French)と会って西宮の光明寺に一緒に行きご住職の柴田さんに紹介してもらいました。
 柴田さんは尺八奏者でもあり京都明暗寺の導主でもあります。
 また、その場におられた尺八奏者の太田さんにも会いました。太田さんは尺八の師匠で、自ら製管もされます。
 その素晴らしい尺八の数々。古典本曲で有名な故門田笛空(もんでん・てきくう)の弟子でもあります。
 みんなで寄ってお互いの尺八の吹き比べをしたり一緒に演奏したりした、あっという間に何時間も経ってしまいました。本当に楽しい時間でした。
 その後、おいしいご馳走をお腹いっぱいいただきました。
 この日は本当に良い日でした。
 大阪は素晴らしい。
 Kiku Dayキク・デイ