尺八吹奏研究会メニューに戻る

四国尺八遍路旅メニューに戻る

四国逆打ち遍路&尺八 徳島編⑦(神山町〜吉野川市) 土井通有

○第6日 2025年5月28日(水)晴れのちくもり

 昨夜の雨であたりの山に霧が立ち込めていました。
今日の行程は20キロほどですが全て山の中、すなわちほとんどが地道でアプダウンを6回ほど繰り返します。
最高地点は焼山寺のある山で706mあります。早朝にすだち庵の主人に見送られ出発(6:51)。

 林道を登り、途中から山道に入りこれを登ると杖杉庵に着きました(7:27)。
ここでひとまず休憩。ここは衛門三郎がお大師さんに会うため逆打ちをして、この地でやっと出会ったところです。
衛門三郎は過去の過ちを詫び、大師は病で息絶えだえの彼にその名を書いた石を握らせます。
翌年、松山の衛門三郎の河野家に男の子が生まれます。その子は左手を固く握り締めていました。
お寺に連れて行き祈祷すると「衛門三郎再来」と書かれた石が出てきました。そのお寺が松山市にある51番石手寺です。
この事により「逆打ち」をすると弘法大師に会えると言われ、またご利益も大きいと言われています。
今回私もこの伝説にあやかろうと始めました。

 (写真①:霧のかかる神山町の山)


 (写真②:衛門三郎ゆかりの杖杉庵)


 さらに林道を登り、また遍路道の山道に入り、焼山寺の山門に到着しました(8:10)。
3キロあまりの険しい登りでした。
いつものように読経してから今日の遍路ころがしを無事に越えられることを願い、尺八を吹奏しました。 

 (写真③:山門への最後の階段)


 (写真④:焼山寺 本堂)


 (写真⑤:焼山寺にて尺八) 


 さてここからは遍路ころがしと言われる山道が続きます。
まず一度山を反対側に降りて山道を登り返し「浄蓮庵(一本杉庵)」に到着しました(10:25)。
ここで順打ちの何人かに出会うことができました。先が長いのでとにかく休憩を取りました。
前回は一挙に歩き、足を痛めてしまい失敗しました。それゆえ今回はきちんと靴を脱いで足を休めました。

 (写真⑥:浄蓮庵の一本杉と大師像)


 さらにアップダウンを繰り返して柳水庵に到着(11:18)。
ここには水場があり、遍路小屋もあります。またお堂もあってそこのベンチもあります。
数人の外国人の遍路と出会いました。彼らは順打ちだそうで、なかなか良いペースです。
休憩後また山道が続きます。やがて次第に下りになり、長戸庵を過ぎて少し行くと見晴らしの良いところに休憩所がありました。
そこには地元のハイカーが座っていて、遍路事情や日本だけでなく世界の山に登った話をしていただきました。
この見晴らし台より眺めた景色を写真に収めました。
向こうに見える阿讃山脈の麓には西から東へ10番から1番までの札所が続いています。
山を下って11番藤井寺に到着(13:50)。お参りをして尺八を吹奏しました。

 (写真⑦:吉野川の平野と阿讃山脈の山並み)


 (写真⑧:藤井寺 本堂)


◆◆ (尺八音源:藤井寺にて「水鏡」)


 お寺から10分ほどで今日の宿「旅館吉野」に到着しました(14:33)。
何回かお世話になっている宿なので、勝手がわかっていることもあり、ゆっくりできました。

 歩行距離:21.7キロメートル 所要時間:5時間30分