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四国逆打ち遍路&尺八 徳島編③(阿南市) 土井通有

○第2日 2025年5月24日(土)雨

 今日は朝から降り出した雨の中を上下のカッパを着て宿を出発(7:40)。
まずは大根峠に向かいます。雨がしとしと降るなか峠の登り口には遍路小屋があり、しばしの休憩をとりました(8:04)。
ここから竹林の中を緩やかに登って行きます。
雨は次第に激しくなってきます。峠を下りると阿瀬比遍路休憩所があり、休憩を取りました(8:58)。
ここから県道に出てさらに緩やかに下って行きます。2.4キロほどで今日の宿「ほたるの宿」に到着しました(9:40)。

 (写真①:ほたるの宿)


 しかし宿には誰もいないようです。仕方がないので電話をかけてみると、車で移動中のようでした。
とにかく2階の部屋に上がるように指示されたので、遠慮なく部屋に上がりました。
隣に洗濯機もありましたので、濡れた衣服を洗うことにしました。
そうこうしていると主人が戻って着ました。車で近くの郵便局とコンビニに行っていたようです。
ここは太龍寺の下の山の中、私は昼食の準備をしていなかったので、
この宿が経営の向かいのカフェでスパイスカレーをいただきました。程よい辛さで美味かったです。

 今日の宿泊はわたしを入れて6人、逆打ちで犬連れの初老の夫婦、連泊の男性と中年の女性。
ここの主人は午前中にこの二人を乗せて郵便局に行っていたのです。
用事は買い出しと男性の余分な荷物を送り返すためです。
もう一人はこの雨の中、山を超えて来た若い女性です。なかなか頑張りますね。
わたしはこの山越えを諦めて明日に伸ばしたのですが。

 夕食は6時からで、向かいにあるカフェでそろっての食事でした。
明日の行程などを話しながら情報交換しました。
連泊の男女二人は日和佐方面に向かうということですが、海側の遍路道を通り、由岐のあたりで宿を取るようです。
また犬連れの夫婦は、犬を泊めてくれる宿がなかなか見つからないようでした。
まずは札所のお寺はペット入山禁止のところが多いのです。
そのためもあり、宿もペット泊めないところが多いようです。
若い女性は見かけよりは上の年でしたが、休暇に合わせて明日は日和佐まで行くそうです。
仕事の都合がない私は、時間に余裕が持てることに感謝しました。明日の山登りのために早めに就寝をします。

 歩行距離:8.2キロメートル 所要時間:1時間48分



○第3日 2025年5月25日(日)くもり 徳島編④(阿南市〜勝浦町)

 早朝、ほたるの宿を出発(7:00)。
第21番太龍寺の駐車場に向かい、卯の花の咲く道を緩やかに登って行きました。
最後はかなり急な坂となって大門の前に出ます。本堂へはもう少し石楠花の咲く道を登ります。
昨日同宿の犬連れの夫婦を途中で追い越し本堂に到着(8:13)。

 (写真②:道沿いに咲く卯の花)


 (写真③:参道の石楠花)


 本堂に着いてロウソク、線香に火を灯し、お賽銭、納め札を奉納し、いつものように読経してお参りしました。
また山寺の佇まいに惹かれてか尺八を吹奏。

その後、歩いて15分ほどの「舎心ケ嶽」に向かいました。
大龍寺にはロープウェイが通じており、その駅の傍を通り石仏のある山道を登ります。
そこには岩の上に空海修行の銅像があります。お参りと写真撮影をして戻りました。

 山門を少し下ると先ほどの夫婦がいました。
聞くところによると、「かも道」を下り鶴林寺に向かうそうです。
私が向かう若杉谷を下る道と比べると4キロほど長くなります。
彼らはこの道を行くと、いくつかある遍路道全てを歩いたことになるそうです。
お父さんは、胸に吊るした布袋に小型犬を入れて歩いていました。頑張りますね。

 (写真④:太龍寺山門)


 (写真⑤:太龍寺境内・本堂と多宝塔)


 (写真⑥:岩の上の空海像) 


◆◆ (動画:本堂前での尺八吹奏「水鏡」)

 若杉谷に下る道は、最初は急で、谷に降りると川沿いの道を緩やかに大井の休憩所まで広葉樹の中を抜ける遍路道です。
途中の若杉谷には昔の辰砂を取る水銀鉱山の跡があります。
これは偶然とは思えないのですが、空海に関連するお寺や修行の場所には水銀と関係する遺跡が多いのです。

 (写真⑦:遍路道沿いの石仏・地蔵・船形石・無縁仏)


 さて、那賀川に架かる橋を渡り、大井の休憩所で休みを取りました(10:40)。
ここからまた山道に入り、急な登りを喘ぎながら行きます。
この急登で右足の踏ん張りが少し効かなくなりました。
なんとか金剛杖をつきながら第20番鶴林寺までたどり着きました(11:55)。

 いつもの通り参拝を終え、ベンチで尺八の準備をしていると、弁当を開く女性に会いました。
休暇を取ってお遍路をしているようです。尺八を吹き終えた後で、私も買っておいたパンで昼食をとりました。
お茶が足りなくなってしまったのですが、彼女がお接待でいただいたのですが、濃い茶が飲めないとのこと、
それを私に譲ってくださいました。
感謝して私のペットボトルに幾らか入れさせていただきました。
また尺八に興味を持っていただきました。このことを含め感謝します。

 (写真⑧:鶴林寺 山門)


 (写真⑨:鶴林寺 本堂)


 ここから遍路ころがしを下り、勝浦町生名の集落まで1時間ほどかかりました。
勝浦川に沿って歩き、途中から小さな峠を越えて小松島市に入ります。
この近くには阿南市もあり、3つの自治体が隣り合っているところです。
そして今日の宿は「お遍路ハウス西村」です。
この宿は小松島市から阿南市に入ってすぐのところにあります。
生名からは県道を歩いて1時間半ほどで宿に到着(15:23)。
ここは以前も泊まったことがあり、鮎が名物で、夕食は大きな鮎の開きが出ました。
また前回も尺八を吹いていたので私を覚えておられました。
そんなわけで女将の前で一曲吹奏することになりました。再開を含め喜んでいただきました。

 歩行距離:25.4キロメートル 所要時間:5時間54分