四国逆打ち遍路&尺八 高知編12 (田野町〜室戸市) 土井通有
○第6日 2025年3月22日(土)晴れ
山郷旅館を出発(6:35)。宿の近くの福田寺には野根山二十三士の墓がありました。
これは安芸郡の尊王攘夷派23人が武市瑞山(半平太)の釈放を藩に嘆願した結果、刑場のつゆと消えました。
明治に入ってから首領であった郷士清岡道之助の妻によって、この寺に墓石が建てられました。
静かに手を合わせました。さてしばらく国道を歩き、コンビニでトイレを借りてお茶を購入しました。
さらに行くと羽根崎という小さな岬がありそこには弘法大師霊跡があります。ここで休憩をとりました(8:30)
(写真①:弘法大師霊跡碑)
さらに南に進み、途中の道端で農家の選果場で不知火柑の接待受けて一息入れました。
また少し行き、室戸市吉良川町の街並みの入り口にある休憩所で休みました。
そこには順打ちの女性の歩き遍路の先客がおり、聞くと2人の出身地は別々で、お互い区切り打ちをしているようです。
彼女らは前回にも会っていて、今回もたまたま打ち合わせもなしに会うことができたようです。
お大師さんのお引き合わせでしょうか。私たちは情報交換をして別れました。(10:37)
ここ吉良川の街並みは、重要伝統的建造物群保存地区に指定されております。
旧土佐街道に沿った「浜地区」には土佐漆喰による塗屋造りと水切り瓦のある壁を持つ町家が特徴的です。
街並みを行くと台湾からの観光客もいて写真を撮っていました。
(写真②:吉良川町の町屋 塗屋造りと水切り瓦のある壁)
さらに南に歩き金剛頂寺への登り口にある道の駅「キラメッセ室戸」に到着(11:53)。
登り口はわかりにくいので、よく探してようやく遍路道を見つけました。
やはり逆打ちでは見やすい道標がないので困ります。
40分ほどの地道の急な登りをたどり、26番金剛頂寺に着きました(12:27)。
いつものように線香とロウソク・読経をすませて朱印もいただきました。その後に尺八を吹奏しました。
(写真③:金剛頂寺本堂)
(写真④:金剛頂寺で尺八)
◆◆ (尺八音源:金剛頂寺にて「山谷」)
道は登り道と下り道とは別で、どちらも険しい山道です。
下ったところにある三谷建設さんが建てた休憩所があります。まずは一休み(13:30)。
ここにはトイレと製氷機があるので、夏にはとてもありがたいと思います。向かい側には民宿もあります。
実はここに泊まる予定をしていたのですがやはり満室。今回はもう少し先にある25番津照寺まで歩きます。
14時22分神照寺に到着。津照寺(しんしょうじ)は室戸三山の一つで、午前中に訪れた金剛頂寺を西寺、明日お参りする
室戸岬の先端にある最御崎寺を東寺、真ん中の室津港近くにある津照寺(地元では津寺という)を室戸三山と呼びます。
本堂は高台にあり、長い階段を上ったところにあります。
いつものようにお参りして御朱印をいただき、下の大師堂の前で尺八を吹奏しました。
(写真⑤:津照寺の石段と楼門)
(写真⑥:津照寺大師堂前にて尺八)
今日の宿は、室津港の近くにある「竹之井」です。宿泊客は日本人は2人で、他の3人は外国人です。
風呂に入り、洗濯をして乾燥機をかけようとしましたが使用中です。仕方がないので部屋の中に干しました。
運良く部屋は日当たりが良く、風通しもあるのですぐに乾きました。
さて夕食を食堂でいただくと、外国人の2人はベジタリアンのようで、私たちのお膳にある鰹のタタキがないようです。
その代わりは納豆でした。なんとももったいないです。彼らはご飯をしっかり食べていましたが、隣に座っている女性の
ベジタリアンには、(私は気の毒に思い)宿の備え付けの卵ふりかけをご飯にかけるように薦めました。
喜んでいただけたようです。
話は戻りますが、明日は室戸岬からあまり店のないところを歩くので、
食事の前にパンを買っておこうと近くの店に行ったのですが、売り切れてありません。
店のオヤジは「少しだけ先へ行くとドラッグストアがあるのでそこには何でもあるよ。」と教えてくださいました。
行くとドラッグストアなのに普通のスーパーのように生鮮食料品もありました。
やっと明日の買い出しを完了。予定外の宿でしたが、とにかく広い部屋でゆったりと寝ることができました。
歩行距離:27.4キロメートル 所要時間:5時間48分