四国逆打ち遍路&尺八 高知編11 (香南市〜田野町) 土井通有
○第5日 2025年3月21日(金)快晴
住吉荘では心のこもった朝食をいただきました。
ここ住吉荘のある手結(てい)のあたりからは遍路道は自転車道を辿ります。
この道は昭和49年まで営業していた土佐電気鉄道安芸線の廃線跡なのです。
所々に鉄道の線路を感じさせるトンネルなどがあります。この鉄道は南国市の後免駅から安芸市まで走っていました。
その道は芸西村和食(わじき)を通り、かつて阪神タイガースのキャンプ地であった安芸市に向かいます。
道は元線路なので高低差があまりなく、静かな海岸沿いを行きます。
安芸に着くと昔の駅舎の後にあずま屋があり、そこで休憩をとりました(9:35)。
さらに安芸の街を進むと、魚屋の店先で鰹のタタキを作っていました。
ここからは国道を東に進み、途中にある伊尾木洞に立ち寄りました。
入り口は洞窟で、中に入ってしばらく進むと天井がなくなり狭い峡谷になります。
少し暗い川沿いにシダの群落のある渓谷です。20分程歩いた谷の奥には小さな滝がありました(11:17)。
これは朝ドラで演じられた植物学者の牧野富太郎氏の「らんまん」の舞台にもなりました。
(写真①:自転車道のスイセンと遍路道)
(写真②:鰹のタタキを作る)
(写真③:伊尾木洞1)
(写真④:伊尾木洞2)
(写真⑤:伊尾木洞・奥の滝)
さて今日は27番神峯寺を目指してさらに南東方向に歩いていきます。
お昼も近くなり道の駅「大山」で食事をすることにしました(11:55〜12:40)。
最近は、コンビニの弁当や土佐定番の鰹のタタキなどをいただいていたので、今回はタコライスを注文しました。
久々の味に舌鼓を打ちました。席についていると順打ちのお遍路さんがやってきました。
彼と色々と話をしていると、やはり宿が取りにくいことがわかりました。
実のところ今日の宿は唐浜に泊まる予定でしたが、満室のため隣町の田野町の山郷旅館になりました。
そのため歩行距離は35キロを超えます。話していると月曜日の海部の宿も紹介してもらえました。
先日に予約した宿をキャンセルして、運よく少し安い宿が取れました。やはり情報交換は大切です。
さらに東に歩き、唐浜駅の近くにある神峯寺への登り口に着きました(13:30)。
ここから3キロあまりの山登りで、その道は舗装道路と時々地道の繰り返しです。
山の中腹にあるお寺に14時35分に到着しました。参拝を済ませてから尺八を吹奏しました。
(写真⑥:神峯寺の山門)
(写真⑦:神峯寺での尺八)
◆◆(尺八音源:神峯寺にて「水鏡」)
下山してから田野町の山郷旅館に向かいます。あと5キロあまりです。頑張りましょう。
なんとか田野町に着き、まず今日の宿は素泊まりなので、スーパーで夕食と朝食を買いました。
途中で出会った地元の人に旅館を聞くと「今も営業していますか?」と聞き返されました。
少し心配になりましたが、予約ができているので、とにかく道順を聞き急ぎました。
宿に着いて声をかけると奥から返事がありました(17:38)。一安心です。今日の宿泊は2人のようです。
風呂はゆっくりと入り、リラックスできる桧風呂でした。
全体的に少し古いが、部屋は広くて設備はしっかりしていました。本日も長い距離を歩いたので早く就寝することにしました。
歩行距離:40.1キロメートル 所要時間:8時間30分