小濱明人先生をお迎えしての尺八本曲の調べホームコンサートに参加して 2025/09/15 ペンネーム 音羽
今回、小濱先生は貴志先生宅に一節切研究のため来られたわけですが、同道場で本曲を演奏していただくことになり
私も貴志道場門下生として、ホームコンサートを聴かせていただきました。
曲目は「巣鶴鈴慕」 貴志清一先生 ◆◆ 音源: 「巣鶴鈴慕」
「手向」 小濱明人先生
「三谷」(長官) 小濱明人先生
「桔梗幻想曲」 貴志清一先生
「山越」 小濱明人先生
「鹿の遠音」(連管) 小濱明人先生 貴志清一先生

そして、アンコール曲は
「りんご追分」 (長官)小濱明人先生 (八寸管)貴志清一先生
[昴」 (八寸管)小濱明人先生 (ピアノ)貴志清一先生

以前から貴志先生には小濱先生の素晴らしい演奏については聞いてはいましたが、その演奏をほん間近で拝聴できるとあって
この上ない貴重な時間を過ごさせていただきました。
ほんとに感動のひとときでした。こんな機会はこれからもないでしょう。
ここからは私の勝手な感想です。
小濱先生の演奏を目を閉じて聞いている間、あるときには、自然の中の川の水の流れや聳え立つ山々の間を吹き渡る風、
そして木々の囁きのようにやさしく、清らかに、ゆったりと、またあるときには雷鳴のごとく激しく重厚に、そしていつしか無音の中の世界に消えていく。、
なにか水墨画の絵巻の中にいるようで、心に響き渡る深い感銘を受けました。
小濱先生が演奏の合間に話された中で「一音がドラマである」と。
本曲にはその一音に楽譜には当然書き表せない演奏者の表現が凝縮されており、だから聴き手もその一音に魅力を感じる
そういうものだと私なりに解釈しました。そして、一音一音が今度は全体としてのドラマを作り出しているのだとも思いました。
こういうことは地唄合奏にはないので、小濱先生の演奏を聞かせていただきあらためて本曲の良さを実感しました。
また、乙ロを毎日練ることの大切さをおっしゃっておられ、貴志先生から常に言われていることをこの場でも再確認しました。
今回のミニコンサート後半のアンコール曲では、先生お二人での演奏はすべてぶっつけ本番でした。それでも、お互いの間(ま)を楽しんでおられる
如く演奏される妙は素晴らしいものでした。
コンサートのあとは茶話会を開きました。
その中で、貴志先生の地無し節残し玉水銘を小濱先生が吹かれ、「これはすばらしい」と言われたのですが、
とっさに貴志先生が冗談半分で「これは取られたらあかんわ」と言われ、貴志先生がその吹料を回収される一コマがあり、皆で大笑いでした。
楽しい時間はあっという間でしたが、私たちには忘れられない素晴らしいコンサートに大満足でした。両先生に感謝して一日をお開きとしました