四国逆打ち遍路&尺八 高知編⑥ 土井通有
○第9日 2024年10月15日(火)くもり時々雨
朝は5時に起き準備を済まし、6時から本堂で朝のお勤めに参加します。
ご本尊の前にてお経を唱和し、和尚さんのお話を聞いてから、食堂にて朝食となります(6:45)。
出発前にはこの旅最後の日なので本堂の前にて尺八を吹奏しました。
本堂前ではこの時すでに朝からお参りの人が線香をあげていました。
(写真①:岩本寺本堂の内部)
(写真②:本尊のひとつ不動明王像)
(写真③:朝食風景)
(写真④:岩本寺本堂前にて尺八)
私はリュックを背負って、同宿のスイス人男性と一緒に山門を出ました。彼は順打ちなので、
途中の交差点で握手を交わして別れました。しばらく歩くと道の駅「アグリ窪川」に着き、トイレを兼ねて休憩しました。
この町は合併前まで窪川町で今は四万十町になっています。
なお旧中村市は現在、四万十市です。隣接して同じ名前の町と市があり、ややこしいです。
どちらも四万十川の流域にあり河口付近が市で、中流域が町です。
また四万十町の川にはたくさんの沈下橋があり、観光資源になっています。
(写真⑤:四万十川に架かる沈下橋)
ここ窪川町は高原にある盆地で、標高2百メートルほどあり、少し冷涼です。
さて国道を北に向かい、緩やかに登っていきます。2時間半ほど歩いて七子峠に着きました(10:52)。
休憩所には順打ちの先客がいて話をしました。ここ七子峠まで一人は「そえみみず遍路道」を登って来たそうです。
もう一人は「大坂遍路道」を来たそうです。さて昨夜の雨もあり大坂道は増水で通り抜けにくいようで、
またそえみみず道は少し複雑で、逆打ちなので道標がわかりにくいと考えられます。
このため今回は国道を歩いて久礼に下ることにしました。以前には遍路道を登って来たのですが、まずは安全を図ることにしました。
中土佐町久礼の街に向かって国道をだらだらと下って行きました。
幹線道ですが今は並行して高速道路があり、そのため交通量が少なくなっており歩きやすかったです。
久礼の街に入ってすぐにあったスーパーでお茶を買いました(12:35)。
(写真⑥:七子峠より土佐久礼方面)
ここから道は北東に向かい、須崎市を目指します。途中焼坂峠を越えます。
今回はトンネルを抜ける予定です。
少し雨模様になり降ってきたのでトンネル手前の休憩所で小休止を取りました。
トンネルを抜けると須崎市安和に至ります。
ここでちょうどラーメン屋があったので、昼食にと「鍋焼きラーメン」食べることにしました。
このラーメンは須崎市のB級グルメなのです。鍋焼きうどん風のラーメンです。
ネギ・生卵・刻んだ鶏肉とナルトがトッピングされています。
出汁は醤油ベースの鶏ガラで、熱々を美味しくいただき満足しました(14:15)。
さらに国道を歩いているとバス停で待つお遍路がいました。
彼女はバスで多ノ郷に向かうとのこと。
私はそれがどこなのかわからず生返事をしてしまいました。
しかし後で分かったのですが、それは須崎市の土讃線の駅の名前でした。
多分その辺に宿をとったのでしょう。
1時間ほど歩くと須崎の街に入る手前の大きな橋のたもとに、出汁巻とおむすびで有名な店に着きました。
そこは「たけざき」といい、以前テレビでも放映された有名店です。
3時半もすぎていたのでもう品物がないかと思ったのですが、運良くいくつか残っていました。
おにぎり弁当(出汁巻入り)を買って須崎駅に向かいました。
途中の道の駅「かわうその里すさき」で鰹の生節を買ってリュックに詰めました。
そしてやっとのことで須崎駅に到着(16:10)。今回の歩き遍路はここまでです。
まずは無事歩けたことに感謝し、また偶然の運の良さも幾つかあって、今回これがまた心に残る遍路旅となりました。
歩行距離:33.2キロメートル 所要時間:6時間50分
追記、
さてこれから大阪へ帰るのですが、まず土讃線の列車に乗り、高知駅まで行きます。
次に高知駅バスターミナルより夜行の大阪行き高速バス(22:30発)に乗る予定なのです。
須崎駅発16:51の普通列車に乗り、高知駅には18:14に到着しました。
ここで高速バスの時間にはかなりの余裕があります。そこで近くの銭湯でお風呂に入り、
着替えをしようと思って向かったのですが、10分ほど歩いても見つかりません。
よくよく探すとそこは定休日のようでした、残念。仕方なく駅の多目的トイレで着替えさせてもらいました。
そのあと夕食として須崎で買った出汁巻弁当を美味しくいただきました。それでもまだ時間を持て余します。
駅近くの居酒屋にて一杯でもと考えて探して歩くと、もつ鍋屋らしき店がありました。
ご飯は食べたので、ビールと肴を注文してほろ酔い気分になりました。さてバスターミナルの待合室に戻り、
荷物を整えてバスを待つことにしました。
定刻より少し早めにバスが到着して、車上の人になりました。
10月16日(水)の早朝、大阪の難波に5時50分に到着、無事の帰阪となりました。
今回も一期一会のふれあいと、こころよく送り出してくれた家族に感謝して旅を終えました。