四国逆打ち遍路&尺八 愛媛編⑩ 土井通有
○第2日 2024年10月8日(火)くもりのち雨
昨夜から雨が降り続いていましたが、朝には上がりました。ただし山の上には雲がかかったままでした。
朝食は6時30にいただき、支度をして出発(7:03)。
宿の前の県道を南に進み、歯長峠口バス停の所で肱川に掛かる橋を渡ります。
(ここで肱川というのは少し変わった川で、肘のように屈曲しているからという説があります。
源流は昨日に歩いた鳥坂峠にあります。そこからまず西予市宇和町を南下し、歯長峠の手前で東進する。
さらに西予市野村町で北に向かい、再び鳥坂峠の北にある大洲盆地を北西に流れ、大洲市の北部の長浜で河口となり、ここで伊予灘に注ぎます。
全長103キロ。また、冬季に「肱川あらし」というのが河口の長浜に吹きます。
これは大洲盆地に発生する朝霧が、下流に吹き下す現象として現れます。)
(参照:肱川の地図)
歯長峠へは県道を登り、「四国の道(遍路道)」の入り口に着きます。そして地道となり、県道の歯長トンネルの入り口に向かいます。
山道は雨に濡れて滑りやすく気を付けて登っていきます。ようやく歯長トンネル到着(7:47)。
このトンネルの交通量はほとんどありません。通り抜けてから少し下り、また遍路道に戻ります。
途中に先年の豪雨による崩落地を通過して下っていくとまた県道になります。少し歩いて42番仏木寺に到着(8:40)。
いつものように参拝して御朱印をいただきました。朝早くからの参拝者がすでに数人ほどいました。その後尺八を吹奏して、次の41番龍光寺に向かいました。
(写真①:仏木寺の山門)
(写真②:仏木寺本堂前で尺八)
県道を歩き、途中からは山道を行く遍路道があるので地図を確認していると。
軽トラックに乗った農家のおじさんが車を止めて「龍光寺に行くなら途中だから乗って行きなさい。」と言って車のお接待をしていただきました。
さて車中から登り口を探して見ていると標識もなくとてもわかりづらいのです。
これはやはり見落としてしまうと思いました。ああ乗せてもらってよかった。
お接待により少し早く龍光寺に到着(9:53)。いつものように参拝して、御朱印もいただきました。
このお寺は稲荷山・龍光寺といい、昔は神仏習合の寺で、今も本堂の上には赤い鳥居があって、稲荷神社が建っています。
現在の本尊は十一面観世音菩薩です。
(写真③:龍光寺本堂)
(写真④:龍光寺 赤い鳥居の稲荷神社)
この地は今では宇和島市なのですが、元は三間町でした。海の近い宇和島より少し高台の盆地にあり、農業が盛んな地域です。
さて県道が下り坂になり7キロ先の宇和島市の中心に向かいます。途中にあるヘンロ小屋で休みを取り、靴を脱いで10分ほどリラックスしました。
やがて北宇和島駅を過ぎて市街を歩いて行きます。さらに行くと宇和島駅の跨線橋を渡り、別格6番龍光院にたどり着きました(12:43)。
ここは町のほぼ中心にあって高台でもあり、本堂向かいの南を見渡すと宇和島城の天守閣が望めます。
お経をあげてから、コンビニで買ったおにぎりで昼食を取りました。そして尺八を吹奏しました。
ちょうど同じように休憩していたお遍路さんが聞いてくださいました。
(写真⑤:龍光院本堂)
(写真⑥:宇和島の町と宇和島城天守)
(写真⑦:曼珠沙華)
◆◆ (尺八音源:龍光院にて「手向」)
先を急ぎ宇和島の町を国道56号にそって歩きます。今日の宿、宇和島市津島町の岩松にある「よしのや旅館」に向かいました。
56号を行くと松尾トンネルの手前で雨が降って来ました。少しばかり濡れながらなんとかトンネルに入りました。
このトンネルは、幅の広い歩道があり安全なのです。また今回一番の長さで1710mあり、20分ほどかけて通り抜けました。
トンネルを出ると雨が少し小降りになっており助かりました。さらに40分ほど歩いて宿に到着しました。
この宿は、素泊まりで近くのスーパーで夕食と明日の朝食を買い求めました。洗濯をし、風呂に入ってゆっくりしました。
ただトイレが和式で、足を少し痛めてかがめない私には困りました。また股関節の痛みは湿布を貼って少し楽になり、安堵しました。
歩行距離:34.1キロメートル 所要時間:7時間12分