四国逆打ち遍路&尺八 愛媛編⑧ 土井通有
○第8日 2024年5月30日(木)晴れのちくもり
かどたやの朝食をいただき、6:37に出発。昨日通った道を戻り、八丁坂入り口にある休憩所で休憩7:40。
このように約1時間ごとに休憩をとり、そして靴を脱いで蒸れた足を乾かすようにしました。
それからは靴擦れや水ぶくれができなくなりました。以前は休まず歩き続け、足に水ぶくれを作り、痛い目に会いました。
やっとこのことに気づいたことが本当によかったです。これからも歩きやすくなります。
峠の途中にある「峠御堂トンネル」をくぐります。このトンネルは歩道がないので十分気をつけなければなりません。
44番大宝寺へは峠道を行く方法がありますが、一部に崩落があり、荒れているところもあるので県道を行くことにしました。
坂道を下り左折すると大宝寺方面から登ってくる幼稚園児の一団と会いました。
大きな声で挨拶をたくさんしてくれます。その都度答えて「おはよう」を返します。清々しい気持ちになります。
やがて大宝寺に到着8:50。納経して今日最初の札所なので尺八を吹奏しました。
(写真①:大宝寺山門)
(写真②:大宝寺本堂)
(写真③:大宝寺で尺八)
今回の遍路ではこの札所が最後となります。しかし旅は大洲市まで行く予定です。
あと50キロあまり歩かなければなりません。今日は途中の内子町の大瀬にある宿まで歩きます。
これからヒワ田峠と下坂場峠の2つの峠を越えます。この遍路道も難所で距離も長いので注意しなければなりません。
久万高原町からヒワ田峠に向かって登っていくと、一昨日の雨で水が溢れ、川のように道を流れていました。
なんとか迂回して、峠を越えると小さな集落に着きました。
そこにある村の神社の石段にて休憩し、久万高原のコンビニで買っておいたパンとジュースで昼食を取りました11:50。
休んでいると2人連れのお遍路がやってきました。
これからヒワ田峠を越えるとのこと、道の状態を伝え、気をつけて行くように言いました。このあたり数キロの間、店が全くありません。
それゆえ先を読んで食料を調達しておく必要があります。
さて道を急ぎます。下坂場峠を越えて麓の三島神社に到着12:44。
さらに2時間ほど歩いて「なみへいうどん」というこの辺り唯一の製麺所に到着。
試食したいと思っていましたが今日は定休日とのこと、残念14:30。
そこのベンチで順打ちのお遍路さんが休んでいました。これから久万高原方面に向かうとのこと。
この先、日が暮れても歩けるか聞かれましたので、少し危険があると答えました。
今日のところは、手前の宿に泊るのが良いのではとアドバイスしました。
しばらく歩き、国道379号の突合(つきあわせ)の交差点を小田川にそって西に向かいます。
うどん屋から1時間半ほどで、今日の宿「いかだや」に到着15:55。宿泊客は私だけとのこと、
ここは元小学校を利用して昔のお遍路宿を再現したそうです。
ただ施設は現代風に使いやすくできており、前回も利用させてもらい満足していました。
また地元の活性化にも一役買っているようです。
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さて、早速お風呂をいただき、洗濯をしている間に夕食が出来上がりました。
鮎の塩焼きやこんにゃくなど地産地消の食材で舌鼓を打ちました。温かいもてなしに満足しました。
(写真④:いかだや)
(写真⑤:再現された囲炉裏)
歩行距離:34.6キロメートル 所要時間:7時間24分
○第9日 2024年5月31日(金)雨のちくもり
朝から雨の降る中、カッパを着て出発7:20。国道を西に向かいます。遍路道の旧道と国道を行き来しながら歩きます。
ここ内子町大瀬はノーベル賞作家の大江健三郎の出身地です。途中の屋根付きのバス停などで休憩をとりながら内子町に到着10:00。
道の駅「からり」にてトイレを兼ねて休憩。
ここから地道の遍路道を行くことができるのですが、雨模様なので安全策を取り、国道を行くことにしました。
歩道が整備されていて歩きやすいのですが、遍路道としては物足りなさを感じます。大洲市に入り、別格霊場の十夜ケ橋に到着12:20。
お経をあげて旅の無事を感謝しました。近くにあるスーパーで昼食のパンを購入。さらに1キロ歩いて伊予大洲駅に到着13:25。
ここでパンの昼食を取りました。
(写真⑥:十夜ケ橋)
(写真⑦:伊予大洲駅)
さてここから列車に乗り、松山駅に到着15:30。そこから17:00発の高速バスで大阪に向かいます。
時間が少しあるので、早い夕食ですが駅前でじゃこ天うどんを食べました。愛媛のじゃこ天はなかなか美味い。
また駅でお土産のタルトを買って高速バスに乗りました。
大阪の難波に22:30に到着。少し遅くなりましたが自宅に帰り着きました。
今回は天候に左右され、日程がずれたりしましたが無事に巡拝できました。
途中でお会いした皆様、宿の方、快く送り出してくれた家族に感謝します。
合掌。
歩行距離:26.2キロメートル 所要時間:6時間05分