四国尺八遍路パート2 香川編 土井通有
○第10日 2023年10月6日(金) 晴れ
今朝は、きららの宿を6時半に出発。さぬき市にある志度寺を目指して歩きます。歩き始めてしばらくしてコンビニがありました。
そこで朝食にパンとヨーグルトを買い、お腹を整えました。
1時間半ほど歩き、栗林公園に到着しました。ここでちょっと寄り道。オランダのHaさんもここを見学すると言っていた。
また名園と言われており、庭園には興味があったので見学することにしました。
チケット売り場の方によると、南庭と北庭を全て見学するには1時間半はかかるとのこと。
今はそんなに余裕がないので、見学は南庭だけにすることにしました。約45分の駆け足の鑑賞でした。
しかし先を急ぐ遍路旅にしては少しの観光と、また安らぎでした。
(写真① 栗林公園)
(写真② 池泉回遊式庭園)
高松市内を琴電に沿って屋島に向かいます。屋島は頂上が平らな山(標高293m)で、ここに屋島寺があります。
登り口が海辺なのでほぼ0メートルから登ります。かなり急な坂道で大変です。地元の人は健康のため、毎日登山をする人がいるようです。
第八十四番屋島寺(南面山 千光院 本尊:十一面千手観世音菩薩)に到着(11:15)。ここは源平の古戦場です。
開基は鑑真和上、本尊は重要文化財に指定されています。
また、岩合光昭さんの「世界の猫歩き」(NHKのBSで放送中)で取材された猫がいます。この猫は納経所の椅子の座布団で寝ていました。
ここでゆっくりと尺八の吹奏をして、かの猫の写真を撮りしました。
(写真③ 屋島寺本堂)
(写真④ 屋島寺の猫)
(写真⑤ 狸の前で尺八吹奏)
次の八栗寺へは屋島を一旦下ります。下りの道は、登りよりもさらに急で、しかも山道そのものです。
金剛杖をうまく突いて下りることにしました。“転ばぬ先の杖”です。
麓には源平合戦のおり、義経の身代わりとなって討ち死にした佐藤継信の菩提寺の州崎寺があります。
(写真⑥ 州崎寺)
ここから再び八栗寺にはケーブルもありますが、徒歩で五剣山に登ります。
登り口に「山田家」という古民家風のうどん屋があり、ここで昼食にとることにしました。ちょっと洒落たうどんでした。
やはり急な坂を登りやっとことで、第八十五番八栗寺(五剣山 観自在院 本尊:聖観世音菩薩)に到着(14:07)。
この寺の師が唐に留学する際、五剣山に登り入唐求法の成否を占い8個の焼き栗を植えました。
無事帰国すると、焼き栗から芽を吹いていたそうです。このことから八栗寺となりました。本尊の聖観音は弘法大師作である。
ここでは昨日きららの湯で同宿の埼玉の女性と再会しました。私が栗林公園を見学して時間をとったので、ここで追いつくことになりました。
彼女によると以前、境内には宿泊所があったのですが、ご主人が亡くなって廃業されたそうです。
(写真⑦ 八栗寺本堂)
(写真⑧ 八剣山から屋島の遠望)
下山道は、舗装道をだらだらと下りていきます。登りよりはずっと楽です。
やがて海辺に下りて、海岸沿いにあるJR高徳線と平行する琴電にそって南東に歩きます。途中には平賀源内の生誕の旧跡がありました。
ここからは、さぬき市(旧志度町)に入ります。志度の郵便局でお金(軍資金です)を下ろすことにしました。
3時を過ぎていたので急いで郵便局を探すと、志度寺をちょっと過ぎたところにありました。
無事に出金の完了、つまり明日は土曜日で休みなので助かりました。
第八十六番志度寺(補陀洛山 志度寺 本尊:十一面観世音菩薩)に到着(16:16)。いつものごとくお経をあげて、御朱印をいただきました。
このお寺、木がうっそうと生えています。それで境内には蚊が多く、刺されて困ります。
なお仁王門と本尊は重要文化財、能楽の作品「海女」の舞台でもあります。
また書院の正面にある枯山水の庭は、作庭家の重森三玲の作である。
(写真⑨ 志度寺の仁王門と五重塔)
今日の宿は、志度寺の近くの「たいや旅館」で、素泊まりのため、夕食は近くの食堂で食べることにしました。
主人においしいもの聞くと鯖がうまいとのこと、これは韓国産なのですが日本産より良いそうです。
塩焼きをいただきましたが、ほどよく脂がのっていて美味しかったです。
宿に戻り洗濯をして、明日はいよいよ八十八番大窪寺なので早めにやすみました。
歩行距離:31.3キロメートル 所要時間:9時間50分