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四国尺八遍路パート2 香川編⑧   土井通有

○第8日 2023年10月4日(水) 晴れ
 朝食は昨夜に駅前のコンビニで買っておいたパンとお茶で済ませました。6時10分にビジネスホテルを出て海岸寺に向かいました。
大きい荷物は、宿のチェックアウトを9時頃に遅らせ、部屋に置いておきました。サブザックに必要なものを詰めて出発。
フロントで多度津町の地図をいただき、まっすぐ海岸沿いの道を行くと良いと教えられたのです。

しかし行けども海岸寺らしきものが見つかりません。1時間ほど歩いて、三重の塔らしきものが見えてきました。
しかしこれは海岸寺ではなく、海岸寺の奥院のようです。しかたなく少し戻ることになりました。
 別格18番海岸寺(経納山 釈毘羅衛院 本尊:正観音 弘法大師誕生仏)に少し迷いながらもたどり着きました(7:15)。
お経をあげて御朱印をいただいてから今日の最初の尺八を吹奏しました。

 (写真① 海岸寺奥院の塔) 


 (写真② 海岸寺での尺八吹奏)


 お寺を出て、もと来た道を戻りました。途中にあった多度津港は大きな港のようで、走るトラックなども多いのです。
少し行くとウォーキングの男性に会いました。「多度津駅の方に行くなら、こちらが車も少ないのでいいですよ。
一緒に行きましょう。」と言って案内してくださいました。そして遍路のことなどを話しながらしばらく行くとホテルに戻れました。(8:30)
 荷物を整えてチェックアウトしました。再び道隆寺の前を通り、県道を東へ向かいます。まもなく丸亀市に入り、さらに市街地を目指します。
やがて丸亀城の見える公園に到着(10:10)。そこでトイレをかねて休憩を取りました。  

 (写真③ 丸亀城の天守閣) 


 さらに東へ歩き、宇多津町にある郷照寺に向かいます。古い街並みの中にあって少しわかりにくいところでした。
 第七十八番郷照寺(仏光山 広徳院 本尊:阿弥陀如来)に到着(11:20)。この寺は昔から四国の表玄関ともいえる場所にあり、
「厄除けうたづ大師」と呼ばれ、四国霊場で唯一の時宗の霊場です。(因みに、札所の多くは真言宗である。)  

  (写真④ 郷照寺本堂)


 郷照寺を出てすぐにお接待処「うたんぐら」の女性に呼び止められました。コーヒーと茶菓子をいただいてくつろぎました。
心づくしの接待を受けて、すぐに小川に架かる橋を渡ってしばらく行くと、上り坂にある住宅地の中に小屋がけのうどん屋がありました。
正午をまわっていましたので昼食をとることにしました。素うどんにお好みの天ぷらをのせます。
そこにあまり見かけないものがあり、よく見ると出汁昆布の天ぷらです。食べてみると、これが旨い。

 (写真⑤ 出汁昆布の天ぷらとうどん)


 しばらく行くと坂出の街に入り、アケ−ド街を抜けていきます。しかしシャッターが降りている店が多い。
坂出はJR瀬戸大橋線が通る街なのですが、地方の街にありがちの光景です。さらに東に進み、30分ほど歩くと「八十場の清水」に到着します。
崇徳上皇が崩御したのち、京から検死が来るまでの二十数日間、この泉に遺体を浸していたところ全く腐敗しなかったそうです。
上皇はこの後、荼毘に付され白峯陵に葬られました。
   
  (写真⑥ 八十場の清水)


 さらに5分ほど歩くと第七十九番天皇寺(金華山 高照院 本尊:十一面観世音菩薩)に到着(14:00)。
この寺、空海が朽ち果てた金山摩尼珠院を現在の札所の場に移動させて中興しました。
後に崇徳天皇の永代別当職になり、また寺院内に崇徳天皇社が造営され、崇徳天皇寺と呼ばれるようになりました。
お寺を出ると大きな鳥居があり、昔の神仏習合がうかがえます。 
 
 (写真⑦ 高照院天皇寺)  


(写真⑧ 崇徳天皇社) 


 さらに東に道をとり、予讃線を横切り綾川に架かる橋を渡り、堤防沿いに歩きます。
そこから国道11号を東に歩き、また途中から遍路道に入って旧道を国分寺に向かいます。
 第八十番国分寺(白牛山 千手院 本尊:十一面千手観世音菩薩)に到着(15:45)。
境内は特別史跡に指定されており、これは四国唯一です。その境内は広く、七重塔の礎石が残っております。
また四国最古の梵鐘もあり、大師堂は堂内に入ることができ、ここで御朱印もいただけます。
大師堂の入り口にはたくさんのお地蔵さんがあり、その前に人慣れた三毛猫がいました。この猫の前で今日の打ち止めの尺八吹奏をしました。
今日の宿は門前の「えびすや」さんです。  

(写真⑨ 国分寺の本堂) 


(写真⑩ 水子供養の地蔵さんと三毛猫)  


(音源「水鏡」)←国分寺前にて尺八、


 歩行距離:30.9キロメートル  所要時間:9時間35分