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四国尺八遍路パート2 愛媛編③            土井通有

○第12日 2023年3月19日(日) 晴れ
 「ときわ旅館」は、予約のときにわかったのですが夕食はカレーライスとのこと。
ここでチェックインのときに明日に行く別格の出石寺までの道のりを詳しく説明していただきました。
この宿は出石寺に参拝するための拠点になっています。
明日はここに荷物を預けてサブザックに荷物を詰めて出かけます。
 さてまず風呂に入り、洗濯の接待を受けて自室で待っていると夕食の案内がありました。
主人の話によるとこのカレーは43番明石寺がブランド化したものだそうです。
また数個セットで地方送りもしてくれるようなのです。
レトルトとはいえ、美味しかったので旅割のクーポンを使えば得ということで、家の方に送ってもらうことにしました。
 翌朝は部屋に備え付けのパンとスープで朝食を取り、出発前に近くのコンビニで昼食を買い求めました。
これは今日の出石寺(しゅっせきじ)は山の上にあり途中には店もなく、お寺の境内にはうどん屋があるが時々休むそうで、
昼食を用意するように宿の主人にアドバイスされていました
。6時半には旅館を出発です。サブザックには、参拝道具と雨具・昼食とお茶を入れ出発。
さて宿から西の方に向かってまず車道を歩きます。

    (写真① 肱川の左岸にある大洲城)


 ここ大洲は、その昔一世を風靡した朝ドラ「おはなはん」の舞台です。
西大洲駅を過ぎて1時間ほど歩くと大安寺というのがありました。その先から遍路道に取り付きます。
ここからは地道になっており、次第に山の中に入っていきました。

    (写真② 遍路道への登りとボーイスカウトの道しるべ)


 道はかなり険しい山道で、要所要所に地元のボーイスカウトが作った道しるべがあります。
それはここぞという所にあり、大変助かりました。途中の開けた所には、キリシタン大名の一条兼定ゆかりの地がありました
。そこでしばらく休憩を取りました。この道は「地蔵道」と呼ばれています。
1時間半ほど歩くと車道に出て、その車道をしばらく行くとまた山道に入ります。
ここから約1時間で別格7番出石寺(金山 出石寺 本尊:千手観世音菩薩)に到着しました。
長くて急な石段を登ると山門があります。 開創は養老2年(718年)といわれています。
この寺の縁起は、宇和郷の猟師が狩りに出て、鹿を射殺そうとしたところ、突然に全山振動して光り輝き、鹿の姿は消え、
鹿の立っていた足下の岩が真二つに割れ、千手観音菩薩・地蔵菩薩の像が地中から湧き出して金色の光を放った。
これを見た猟師は、仏道に入り、この仏像を本尊として出石寺と命名したそうです。

    (写真③ 階段の上の山門) 


   (写真④ 出石寺の伽藍)


 本堂ではいつものように読経して参拝を終え、納経を済ませました。
境内のうどん屋は開店しており、暖かい昆布うどんをいただきゆっくり休憩を取りました。
ここは812メートルの標高があり、空気は澄み、少し気温も低くなっていました。

    (写真⑤ 出石寺の境内からの眺望)


 山寺を出発し、もと来た道をゆっくりと気をつけて下山しました。午後2時前には大洲に戻りました。
このように別格出石寺に行くだけで丸一日を要します。つまり別格出石寺は難所のひとつなのです。
さてときわ旅館に預けておいた荷物を取り、大洲の街に戻りました。お土産を買い、高速バスの停留所で大阪行きを待ちました。
15時45分、定刻よりすこし遅れてバスがやってきました。荷物をトランクルームに預けて車上の人となりました。
大阪には22時57分に阪急梅田駅前に到着しました。そして夜遅くに我が家に帰りつきました。
今回もまた、いろいろな「一期一会」がある。そして心に残るものが多い、お遍路でした。
 歩行距離:25キロメートル  所要時間:7時間12分