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四国尺八遍路パート2 高知編⑪            土井通有
○第5日 2023年3月12日(日) くもり
 「民宿くもも」は足摺岬の付け根にある小さな入り江の奥にある宿です。
この日も早朝に起き、6時半には暖かくて美味しい朝食をいただきました。
   (写真① 民宿くもも)


 朝日を背にして入り江を歩き、やがて大岐海岸に出ます。ここはサーフィンができる海岸で、お客も多いようです。
そこから菜の花とラッキョウの畑を見ながら南に向かいます。
   (写真② ラッキョウ畑と菜の花)


 さらに以布利港を過ぎると、太平洋に突き出ている足摺岬の東海岸を歩きます。
海岸沿いの道には椿の花が咲き、今ではポトンと道端に落ちています。 
   (写真③ 遍路道に散る赤い椿の花)


 途中の窪津港で休憩を取っていると手を振ってくれる仲の良さそうなカップルがいました。
そこで答えて手を振り返しました。
 12時15分に第38番金剛福寺(磋蛇山 補陀洛院 本尊:三面千手観世音菩薩)に到着しました。
この寺は、大師が岬の突端に広がる太平洋の大海原に観世音菩薩の理想の聖地・補陀洛の世界を感得して、
ときの嵯峨天皇に奏上、勅願によって建立されました。
足摺岬を見下ろす丘の中腹にあり境内は広く、池を囲んで伽藍が配置されています。
   (写真④ 金剛福寺 池を囲む伽藍)


 お寺から足摺岬の灯台までは歩て行けます。太平洋に突き出た岬の灯台が見事な景観を見せます。
また、ジョン万次郎の銅像が公園内に建てられています。万次郎は岬の西海岸の土佐清水市中浜に生まれた漁師で、
太平洋で遭難してアメリカの捕鯨船に助けられ、アメリカ本土で教育受けて日本戻ります。
この経験が明治維新の動乱期に、大きな役割を果たしました。
    (写真⑤ 足摺岬の灯台)


 今日は、行程も短いので、足摺岬の観光をし、お寺では尺八の吹奏を久しぶりにゆっくりと奉納できました。
   (写真⑥ 金剛福寺で尺八の吹奏)


 昼食は、お寺のベンチで民宿にてお接待を受けたおにぎりを食べました。
このとき、窪津港で手を振ったカップルに呼び止められました。(あれ!日本語がたどたどしい)私が「台湾ですか」と聞く。
「やー」と、これからの遍路コースを聞いてきたのです。
東海岸の道も西海岸の道もそれほど変わりないことを伝えると、安心したようにお寺を出発していきました。
 さて旅館に向かう途中には足湯があり、ゆっくりと足の疲れを癒やしました。
午後2時半、足湯からほど遠くないところにある「民宿田村」に到着しました。
部屋に案内され、洗濯物をして乾燥機もかけました。この頃には天気もよくなり日差しも受けるようになりました。
さてこれまでの宿でいただいたクーポンを使うべく、土産を買うために金剛福寺の門前に戻り、焼酎と肴に鰹生節を買いました。
ただここでアクシデント、それは何でもない道でつまずき転んでしまいました。
そして手と両膝をすりむいてしまいました。宿に帰って手当てをし、お土産は、店から家のほうに送ってもらうことにしました。
こんなところで突然の怪我、これからも注意しなくてはと肝に銘じました。
 歩行距離:23.1キロメートル  所要時間:5時間