尺八吹奏研究会メニューに戻る

四国尺八遍路旅メニューに戻る


四国尺八遍路パート2 高知編⑨            土井通有

○第1日 2023年3月8日(水) 晴れ

 前回は2022年の10月に高知県須崎市まで遍路を終えていました。
 今回、春3月になるのを待って続きを遍路することにしました。
 行程は、大阪難波を高速バス(8:05発)にて須崎駅(14:16着)まで移動します。
 到着が遅いので午後の移動時間が短いため、土佐久礼までの15キロ余りを歩くことにしました。
 さっそく須崎駅から20分ほど歩いて別格の大善寺に参拝しました。
 今回の巡礼の安全などを祈願して読経し、尺八を吹奏しました。

(写真① 別格5番大善寺)

(写真② 大師堂にて尺八吹奏)


 そこから国道56号を西に向かって中土佐町久礼の「ゲストハウス恵」に向かいました。
 手前の焼坂峠をトンネルで越え、久礼に着いたのは夕方5時を過ぎていました。
 ここには久礼大正市場があり、漁港があるので新鮮な海の幸が有名です。もちろん鰹もあります。
 市場は主に午前中の営業で、すでに店は閉まっていました。
 宿の「恵」につくと今夜は四人とのこと、ここはゲストハウスなので素泊まりです。
 そこで夕食を食べに行くことになりました。
 途中のスーパーで朝食を買うつもりで入ると、新鮮で美味しそうな鰹のたたきが売られていました。
 これは良いと思わず買い求め、サラダとご飯類も買って宿に持ち込みました。
 宿に帰ると仕事で常宿としているご夫婦がいて、夕食の準備をしていました。
 いっしょに食べることにして、鰹のたたきをあてにビールを飲みました。
 食事の合間にかの夫婦と話をしていると、私は始めは遍路かと思っていたのですが、黒竹の商いをしているのです。
 この黒竹は和歌山の南部と高知のこの辺りしか取れないのだそうで、わざわざ和歌山から出向いて調達に来ているのだそうです。
 私は以前に熊野古道を歩いているとき南部で黒竹の杖をいただいたことを思い出して話をして、
 また私は和歌山県出身なので、さらに話が盛り上がりました。
 今回一人旅ではあるが夕食の団らんができ、楽しい時間が過ごせました。
  
  歩行距離:15.3キロメートル   所要時間:3時間12分

○第2日 2023年3月9日(木) 晴れのちにわか雨
 お遍路の朝は早いです。朝はまだ暗く肌寒いが5時には目覚め、昨日に買った飲むヨーグルトとおにぎりで朝食をとって6時半には出発しました。
 今日のコースには歩き遍路道として「そえみみず道」と「大坂道」の二つがあります。
 今回は、そえみみず遍路道をたどり、四万十町窪川にある37番岩本寺に向かいます。
 窪川は山に囲まれた盆地に有ります。そえみみず道は山道でのぼりきった七子峠は290メートルほどですが、
 歩き始めが海辺なので正味の登りです。道も階段があり、大きな石ころが転がるかなりの急登です。
 2時間半かけて登った峠には展望台があってしばらく休憩をとりました。

 (写真③ 七子峠から彼方に太平洋を望む)


 ここからは国道56号をさらに西に向かいます。ここ四万十町は高原なので、朝はかなり冷えたようで身が引き締まるようでした。
 良いペースで歩き、道の駅あぐり窪川には12時前に到着しました。
 丁度良いので食事をとることにしました。きつねうどんを注文して、温かい汁をすすりました。
 旨い! 1時間ほど歩いて第三十七番岩本寺(藤井山 五智院 本尊:不動明王・観世音菩薩・阿弥陀如来・薬師如来・地蔵菩薩)に到着、
 今日はここの宿坊で泊まります。

  (写真④ 岩本寺本堂)


 まだ時間が早いので荷物を宿坊に預けて、ここから2.5キロほど北にある高岡神社(五社さん)に参拝することにしました。
 この岩本寺には五体の本尊があります。神仏習合の札所として五社、七ヶ寺として隆盛していました。
 明治の廃仏毀釈によって寺領の大半を失い再建に苦難の道が続きました。
 その後伽藍を整備し現在に至っています。五社の名残である高岡神社(五社さん)が今もこの地にあるのです。
 さて天気は下り坂、お寺で傘を借りて出発、坂を上り下りして田園地帯にある高岡神社に着きました。
 昔は88カ所の札所でしたが、今はもう朱印も発行していないようです。
 さすがに厳かなたたずまいの神社でした。(カメラを忘れました)やがて雨が降り出し、かなり激しくなるなか岩本寺に帰りつき、チェックインしました。
 ここは宿坊ですが「旅割」を実施していて、ワクチンの接種証明と身分証明で2割引がなされました。
 6時には夕食をいただき、十人ほどの宿泊客と談笑しました。この後一緒になる方も同宿でした。

 (写真⑤ 本堂にて尺八吹奏)


 歩行距離:28キロメートル   所要時間:8時間