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四国尺八遍路パート2 高知編⑤            土井通有

○第7日(2022年10月10日(月)晴れ)
 午前5時起床。朝食をいただき、7時に宿のご主人に車で昨日の赤岡駅まで送っていただきました。
途中少し寄り道をしてもいいかなと主人が言いますので手結港の跳ね橋を案内していただきました。
この港は人工的に作られ、海への出口に可動橋が架けられたそうです。
実は昨日この道を通ったときに橋が上げられていたのですが、残念ながら写真はありません。

(写真 手結港)


 国道55号に出て大日寺を目指し、今ではよき同行者となったS氏と地図を片手に歩いて行きました。
彼はまたコンビニでトイレタイムをとることになりました。わたしは香南市旧野市町の街並みを抜けて歩いて行きました。
途中、中年の男性に声をかけられ道案内をしていただきました。
遍路道は山道のほうが迷うことがなく、かえって街中のほうが道がいくつもあり、ともすると遍路道を外れてしまいます。
 午前8時50分、第二十八番大日寺(法界山 高照院 本尊:大日如来)に到着。この寺は明治の神仏分離令で一時は廃寺となりましたが、
本尊を「大日堂」として安置していたので救われ、明治17年に再興されました。
第27番の神峯寺も同じような憂き目に遭っています。
今更ながら明治維新の混乱期に神仏分離令・廃仏毀釈と、宗教界に大きな変革がもたらされたことを考えさせられます。
さてお経をあげ御朱印をいただき、本日最初の札所なので尺八を一管奉納しました。
その頃S氏も追いついて来て尺八の音色を聴いていただけました。

 (写真① 大日寺)


また2人で歩き始め、物部川にかかる大きな橋を渡り香美市に入って行きました。
1時間あまり歩くと松本大師堂があります。(大日寺から5キロ)休憩所も併設されていて近所のご婦人方のお接待がありました。
しかもこのお堂では月に一回必ずお接待するそうです。ありがたいことです。

 (写真② 松本大師堂)


 30分ほど歩くとコンビニがありちょうどいい時間なったので昼食を取ることにしました。
駐車場には東屋があり、ここで先ほどお接待でいただいた栗ご飯とお腹の調子を整えるためヨーグルトを買っていただきました。
30分ほど休憩して国分寺へ向かいました。
ここはもう南国市に入っており、ほどなく第二十九番国分寺(摩尼山 宝蔵院 本尊:千手観世音菩薩)に到着しました。
この地より紀貫之が国司として滞在した国衛は北東に1キロだそうです。
本堂は、長宗我部氏が永禄元年に再建したもので、重要文化財に指定されています。

(写真③ 国分寺)


 午後1時5分、次の善楽寺に向け出発。1時間ほど歩いた所に休憩所があり、15分ほど靴を脱いでリラックスしました。
午後3時に第三十番善楽寺(百々山 東明院 本尊:阿弥陀如来)に到着しました。
(国分寺から6.9キロ)この寺は土佐国一ノ宮・総鎮守の別当寺として開創されました。
やはり明治の廃仏毀釈により昭和4年に再興されるまで苦難の日が続き、さらに2ケ寺で納経できるなど混迷し、
平成6年に善楽寺が30番霊場となり現在に至ります。
ここでS氏は高知市内に向かい、ビジネスホテルで連泊して休息を取って美味しいものでも食べるそうです。
それゆえここでお別れとなります。
今日の打ち止めになるので尺八を吹奏しました。写真はS氏に撮影していただきました。

 (写真④ 善楽寺)


( 写真⑤ 大師堂前にて尺八吹奏)


 今日の宿「セリーズ」は高速道路の高知中央インター近くのビジネスホテルです。
前回の遍路でも宿泊した宿です(午後4時15分着)。ここは遍路割引があります。大浴場とランドリーもあり設備が整っています。
ただしレストランは少々高級なので、少し歩いてラーメン屋に行きました。ここ数日、鰹のタタキばかりで飽きてきたところなので麺類もいいと思いました。
 歩行距離:29キロ   所要時間:8時間46分