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四国尺八遍路パート2 高知編②            土井通有


○第3日(2022年10月6日)
 東洋町生見の「民宿いくみ」の朝は5時起床、6時半朝食で舌鼓を打ち、支度をして7時半には出発しました。
この先、室戸方面17キロはコンビニはおろか売店もなく、自販機もほとんどないとのこと。
生見は東洋町の中心で、数軒先に店があるので弁当とお茶を買って行きなさいという宿のアドバイスを受け、
朝早くから空いている店でおにぎり弁当とお茶を買ってリュックに入れました。
(写真①:民宿いくみ)

 今日も国道55線をひたすら南へ向かいます。
トンネルを注意して通過し、しばらく行くと番外の東洋大師(明徳寺)に至りました。
ここは昔、難所で海辺の道は波をかぶるようなところで遍路はここで休憩を取り(「野根の昼寝」と呼ばれる)海の状態を見て難所を通過したそうです。
その名残で東洋大師にはいまでも通夜堂があります。
今もここで一夜の宿を取る「野宿の遍路」もあるようです。
ただし今はコロナの影響で締めているそうです。私は今日初めての読経と尺八の吹奏をしました。
すると住職が現れ、「いいですね前にもここで吹いたことがないか」などと聞いて来ました。
今回が初めてと伝えると由来など色々な話をしてくれました。
あとで調べるとこの寺、加持祈祷もしているようです。御朱印をいただき、お菓子のお接待もしていただきました。
(写真②:東洋大師)

 ここからまさに左手に太平洋、右手に迫る山を背負いを国道沿いに室戸を目指します。
まさに「何もない」無の境地。やはり土佐の遍路は「修行の道」と言われていることがうなずけます。
2時間半ほど歩き11時ごろに番外の仏海庵に到着、休憩を取りました。
しばらく行くと佐喜浜という漁港のある集落につきました。
12時も過ぎていたので朝に買っておいた弁当を堤防の上でた食べることにしました。
(写真③:はるか室戸岬を臨む)

 腹ごしらえができて元気を取り戻して、今日の宿の室戸から10キロほど手前にある民宿椎名に向かいました。
2時間ほど歩いて、午後2時過ぎには民宿に到着しました。
民宿のインターホーンを鳴らすと迎えてくれた女将さんが「早いね、80歳にしては若いね」と矢継ぎ早に言います。
何か間違えているようです。どうやら先ほど宿泊の電話のあったTさんと間違えていたようです。
2階の部屋に通され見晴らしの良い窓から太平洋を眺めて感動し、風呂が沸くのを待っている間に洗濯をしてもらいました。
ここは、以前喫茶もやっていたようで、夕食は豚の生姜焼きとスパゲティーそして野菜サラダも美味しくいただき満腹になりました。
私が着いてからしばらくして到着したTさんと遍路の歩き方など情報交換し、また遍路もしている女将さんも入り話が盛り上がりました。
前後しますが、到着が午後2時ごろだったので少し時間があるため10分ほど歩いたところにある「廃校水族館」を見学しました。
テレビでも取り上げられていてぜひ寄りたいと思っていました。
可愛い水槽には室戸の魚、クラゲなどが泳いでいました。また25メートルプールにはアジやウミガメが悠々と泳いでいました。
 (写真④:廃校水族館 写真⑤:ウミガメ)




 歩行距離:24.7キロ    所要時間:6時間32分