四国尺八遍路パート2 Vol,2 土井通有
○第2日
目覚ましが早朝5時になり、起床。朝食の6時には時間がありましたので、本堂の脇で尺八を吹奏しました。
朝の澄んだ空気に心地よく吹け、思いを新たにしました。
ここは温泉山安楽寺といい、名前の通り温泉が湧いているのです
。弘法大師により温泉湯治の利益が伝えられる全国でも珍しいお寺なのです。
(写真①:安楽寺本堂)
食堂で朝食をいただき、昨日到着が遅かったため納経ができていなかったので、
本堂と大師堂で納経してから、7時20分に安楽寺を出発しました。
次の七番十楽寺(本尊:阿弥陀如来)へは1キロあまり、20分ほどで到着しました。
このお寺も宿坊があり、聞けばビジネスホテルを思わせるようなお部屋だそうです。
先を急ぐので早々に納経を済ませ撫養街道(むやかいどう)を西へ向かいました。
八番熊谷寺(本尊:千手観世音菩薩) は小高い丘の斜面にあり参道は石段を登りやっとの事で本堂にたどり着き、
大師堂には本堂へはさらに石段を登り、弾む息を整え読経しました。
(写真②:熊谷寺仁王門の桜)
さらに歩いて九番法輪寺(本尊:涅槃釈迦如来)、十番切幡寺(本尊:千手観世音菩薩)へと向かいました。
切幡寺も山の斜面にある寺で、ここの参道には仏具店や民宿もあります。
今は閉めている所が多くやはり寂しい限りです。
(写真③:切幡寺の本堂)
熊谷寺の納経所にて宿坊で一緒であったY氏と話す機会があり、今日の宿の事になりました。
私は寝袋を持参していたので11番近くの鴨島温泉の遍路小屋に泊まる予定でした。
しかし考えてみるに途中にあった遍路小屋がコロナの影響で使用禁止にしていました。
心配になり鴨島温泉に電話で尋ねることにしました。
すると案の定、温泉そのものも休業中で小屋も使用中止ということでした。
そこで以前にも泊まったことがある旅館吉野に連絡を入れました。
運良く空き部屋があり予約することができました。
Y氏もこの宿に泊まるようなので、宿まで一緒に歩く事になりました。
切幡寺を出てちょうど昼食時となり、どこかで食べる事にしようと歩いていると、ほどよいところにうどん屋があり、
名物うどんをいただきました。さすが四国のうどん美味でした。
そこからしばらく行くと吉野川に出会います。川を渡るのですが、橋はいくつかありますがその中に川島橋というのがあり、
この橋は潜水橋(沈下橋)なのです。つまり川が増水すると川に沈んでしまうのです。
そのため欄干もないのです。渡るとすぐ下に川面が見え、少々スリルがあります。川を渡ると遍路休憩小屋があり、
小休止。足がかなり疲れてきましたので靴を脱ぎリラックスしました。
歩くペースをやや落としたので午後3時前に十一番藤井寺(本尊:薬師如来)に到着しました。
本堂と大師堂に納経して御朱印をいただきました。今日の打止めなので尺八を吹奏、奉納しました
。(写真④:吉野川の沈下橋を行く)
旅館に向かってしばらく行くと先に行っていたYさんが手を振って呼んでいました。
お接待所があったのです。二人でお茶をいただき、今後の遍路の情報を接待所の主人から色々と説明していただきました。
明日の宿の予定を相談しているうちに少し距離があるが植村旅館まで行く事にしました。
Y氏もそこまで行くということでそれではと思い、決めました。早速携帯電話で予約し無事に取れてホッとしました。
(写真⑤:藤井寺の山門)
5分ほどで旅館吉野につき、到着順に風呂に入り、洗濯・乾燥をして夕食をいただきました。
明日は最大の難所「遍路ころがし」これに備え水ぶくれも出来ている足のケアをして早めに就寝しました。
歩行距離:25.1キロ 所要時間:8時間40分