尺八との出会い、そして師との出会い 近藤 光博
2016年11月17日、自宅である和歌山県に近い大阪府阪南市を、愛車ハリアーに乗って、朝方の8:15出発。
目的地の東京都西部郊外にある、私の実家“福生市”に向かいました。
(近くに横田飛行場があります。┅東京都多摩地域中部にある軍用飛行場。航空自衛隊ととアメリカ空軍の横田基地が設置されています。)
片道、およそ700km。途中、休憩時間を取り所要時間8時間。
今回は、私の甥(実兄の長男)の結婚式参列と亡父の墓参りを兼ね、久々の帰京です。
身体障害者である私にとって、新幹線、飛行機よりも、自家用車での帰京は一番負担がかからず、良いのです。
(電車、飛行機、乗り継ぎ等を考慮すると、所要時間は、同じくらいです。)
途中、中央高速道路走行時は、雄大な富士山等、景観素晴らしくドライブの醍醐味が味わえます。
夕方の4;00実家着。明日11月18日は、頑固親父の墓参り。明後日11月19日は、甥の結婚式参列。
そして11/20(日)に大阪の自宅に向かって出発。3泊4日のスケジュールです。
晩御飯食べながらの話の中で、亡父の遺品である尺八が倉庫から出てきたとの事。
兄は日頃フルートを嗜んでおり、尺八を同じように吹いたところ、真面に音が出せなかったとの事。
弟である私に、このままでは尺八が可哀想なので、チャレンジしてみてはと勧められました。
無造作に口を近づけ吹いてみたら、大きくはっきりと音が出ました。これまで、全く楽器の素養のない私にとって、予想外の出来事でした。
おだてられ、兄はフルート、弟の私は尺八を嗜むこととなった次第です。
11/20(日)、兄が大事に尺八を梱包してくれて、愛車ハリアーに積み帰路につきました。
帰宅後 2016年11月末より、図書館、ネット検索等で尺八関連資料を収集し、独学開始。
12月後半には、簡単な曲を譜面見ながら吹けるようになりました。
常々、兄より、しっかりした先生に師事したほうが良いとのアドバイスを、もらっていました。
2018年6/24(日)、知人の導きで、りんくうタウン駅、青の広場にて貴志先生の素晴らしい尺八演奏を拝聴し、感銘を受けました。
演奏終了後、名刺を頂き、後日、月2回の稽古ご教導頂く運びとなりました。
長い期間、独学での悪い癖がついているとの事。大きな要因として先ず、亡父の遺品である尺八を指摘されました。
ロとツの音が出にくい尺八を、無理に音出し繰り返し、その結果喉が”ウー“と鳴る癖がついてしまっているとの事。
これを修正するには、独学の期間分、時間を要するとの事。
このような状況下、2018年11月19日、豊中の河野 玉水様宅へ貴志先生ご同行頂き、しっかりした尺八を 購入。
以降出直しの稽古を開始し、今日に至っております。
途中、家内の健康状態悪く、日々介護等に追われ、練習が手薄となりましたこと、誠に申し訳なく思っております。
そのような環境下、尺八を手に取り不器用なりに音出しをすると、心が癒され助かりました。
リズム感のない私に、空き瓶に紐をつけ振子として、稽古をつけていただいたり、
また、毎回の稽古において、リチレツロの、しっかりした腹式呼吸を踏まえた、音出しの基礎をご教導頂き、感謝しております。
尚、欠陥のあった、亡き頑固親父の尺八は、私の尺八を始めるきっかけを作ってくれた貴重なものとして、大事に立派な書棚の上段に奉っております。
最後、特筆すべき貴志先生の演奏として、2019年11月10日、泉佐野市、有形文化財である新川家での、石川 利光師と貴志 清一先生の合奏が、
いまだに素晴らしい余韻として残っております。尺八の素晴らしさを、再認識した瞬間でした。ありがとうございました。
(2022.2/4(金)記、まもなく古稀を満了する者の回想でした。)