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「四国尺八遍路あれこれ③」(日記)  土井通有 *長距離移動* 

 10月2日(金)昨夜、民宿四国路のご主人とあれこれ話しながら美味しい食事をいただきました。
近くの民宿が廃業したこと、雲辺寺の登り口にある唯一の宿「民宿岡田」の主人は90歳でもまだ頑張っているそうですが、この先が心配されることなど。
また今年は閏年なので逆打ちが多いとのこと、そういえば三角寺や雲辺寺で出会った人には、逆打ちが多いようでした。
等々、ご主人とは遍路の情報交換を楽しくさせていただきました。 
ところで各寺のことを札所といい、その寺(札所)をめぐり、納経することを打つ(昔、木製の納め札をお寺の柱などに釘で打ち付けた。
今は紙のお札を納め箱に入れる。釘打ちしたり、壁などにお札を貼ると美観を損ねるので禁止です。)といいます。
 また札所1番から順に88番へ四国を徳島から香川へと時計回りに巡拝することを「順打ち」、88番から反時計回りに1番まで回ることを「逆打ち」といいます。
そして逆打ちは道しるべが反対でわかりにくく、また道が険しいこともあり御利益も大きく、しかも閏年の逆打ちでは弘法大師にお会いすることができると言われます。
ということで2020年は逆打ちが多いのです。
 昨晩、ご主人と話して次の宿舎を決めたのですが、68、69番のある観音寺市にはビジネスホテルや民宿はたくさんあるのですがここから7キロほどで近すぎ、
次の宿泊地としては善通寺市になるということになり、30キロあまりの距離を歩くことになるので朝食はキャンセルして朝6時には出発することにしました。
 今日は、まず観音寺市の68番神恵院と69番観音寺を打ち始めにしました。
ここは珍しく同じ境内に2つの札所があります。
元は琴弾八幡宮にあった弘法大師が納めた阿弥陀如来を本尊とする観音寺が明治の神仏分離令により神恵院と分離した事によります。 
ここでは今日の打ち始めに尺八本曲「三谷菅垣」奉納して、9時頃山門を出ました。
財田川を上流に向け70番本山寺まで1時間半歩き納経、続いて71番弥谷寺まで国道11号と旧道(遍路道)を3時間ほど歩き参道の急登を本堂まで上がりました。
岩山には磨崖仏があり、その昔は岩山全体を本尊として信仰されていました。
まさに修行場という感じです。
山道を下り、午後3時過ぎ72番曼荼羅寺にそしてすぐ近くで山の中腹にある73番出釈迦寺を打ちました。
この73番から急坂を50分ほど上がったところに弘法大師の「捨身が嶽」縁起のいわれある寺の奥院があります。
遙かに望んで手をあわすと御利益があるということです。
 ここを出たのは午後4時、宿の善通寺宿坊には5時には入るように言われていたので、74番甲山寺まで2.2キロ、そこから75番善通寺まで1.6キロと、ぎりぎりです。
先を急がないといけません。
お寺にお参りすると最低でも30分、尺八を奉納すると50分はかかるので尺八の奉納は最後の善通寺のみとすることにし、ここは残念しました。
しかし、甲山寺に着くと午後4時35分、読経して御朱印をいただくと5時でした。
仕方がないので宿坊に電話を入れ2・30分遅れることを伝えました。夕食は5時からとのこと、急がないといけません。
 午後5時20分宿坊に到着し、チェックインしました。夕食には間に合いました。しかし納経と尺八奉納はできませんでした。
御朱印はどの寺も午後5時までとなっており、明日の朝にお堂でのお勤めを済ませてからにしました。
今日は少し疲れ、食欲も余りありません。
宿坊といえども、精進料理だけではないのですが、あまり食が進まず何とか完食しました。
明日に備えて入浴し、足の水ぶくれの治療をして早めに就寝しました。本日の歩行距離:34.6キロメートル

写真①観音寺 


写真②本山寺 


写真③弥谷寺・磨崖仏(光不足の手ぶれ) 


写真④曼荼羅寺 


写真⑤出釈迦寺 


写真⑥甲山寺