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        地塗り七孔・玉水管に助けられて
           ~吉崎克彦「哀歌」練習ノート~
                                   貴志清一

 HP419号で3つの邦楽グループに合奏指導にいっていることを書かせていただきましが昨日はその一つの「邦楽三重奏・春風」に練習日でした。
 メインの曲は三重奏ではなく二重奏の「哀歌」です。
比較的新しい曲で尺八パートは至る所で半音階などが出てきます。
また十七絃という響きの大きな楽器との合奏ですので尺八もそれなりの音量が要ります。
 ですので使う竹は河野玉水作の地塗り七孔の一尺八寸にしています。
音色重視の姿勢に貫かれた玉水工房ですので大きめの音も品があり、また七孔にしていますので現代的な曲にも対応できる尺八です。
 「哀歌」の出だしは"切々と"という作曲者の指示があります。
ですのでここは心に沁みるような音色がいるところです。
竹によってはどうあがいても上品な音色が出ないものもありますが、
この尺八は丁寧に吹くだけで良い音色になってくれます。
 ほんとうに楽器に助けられる良い竹です。
 ここ半年ばかり武漢ウィルスによるコロナ騒ぎで演奏会も全くなかったのですがようやく2020年今年の11月21日に
尺八・箏のコンサート依頼がありました。その時のメインの一つが「哀歌」です。

 まだまだ練習を始めたばかりなのですが、その出だしの所などをお聴き下さい。

(音源1:哀歌1)
https://comuso.sakuraweb.com/music/423-aika1.MP3
 「哀歌」後半の尺八ソロから最後にかけては力強いリズムで曲が進行します。
ここでも良い音色を壊さないで豊かな響きが得られる玉水管に助けられます。
しかも七孔にしていますので半音の動きにも素早く対応できます。

(音源2:哀歌2)
https://comuso.sakuraweb.com/music/423-aika2.MP3
 本番まであと一月半ありますので、毎日地無し管と併行して地塗り管も練習していきたいと思います。
(参考:玉水工房〒561-0817大阪府豊中市浜1-22-2 ℡06-6332-4837)