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『虚鐸伝記国字解』活字翻刻付き影印PDF公開
                                                                    貴志清一
 虚無僧と言えばその根源は中国の禅僧・臨済の友人でもあった普化禅師。

 その普化を慕い、鳴らす鐸(たく)の音を尺八で模したのが張伯(ちょうはく)という人物。曲名は「虚霊」(きょれい)。

 それより代々伝わって、紀州興国寺の開祖・法燈国師が中国に留学してその尺八を習い弟子の虚竹禅師に伝えました。

 虚竹が行脚の途上伊勢の朝熊山の虚空蔵にて霊夢によりつくったのが『霧海箎』『虚空』でした。

 今でも「虚霊」「霧海箎」「虚空」は古伝三曲として本曲の根本曲とされています。
 その尺八が代々伝わり南北朝時代に南朝楠木正成の孫の正勝が「虚無」と称し全国を巡り虚無僧の祖となりました。

 この話は伝説的要素が多いのですがなかなか興味深いものがあります。

 その虚無僧伝説を纏めて版行したのが1795年のことで、著者は山本守秀です。

 今回は、この虚無僧尺八に興味をもつ全ての尺八奏者の必見文献をPDFファイルにて公開いたします。

 その際、国字解の部分が変体仮名になっていますので活字に翻刻しました。

 どうか、この文献の原本画像をお読みいただき、改めてご自身の吹く本曲をより深い味わいのある音楽にして下さい。

※この伝説を歴史的に考察したのが中塚竹禅『琴古流尺八史観』です。


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『虚鐸伝記国字解』PDFファイル