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2018年、新年のごあいさつ(附:「鶴の巣籠」音源)
貴志清一
新年あけましておめでとうございます。
お正月のめでたい気分に相応しい鳥と言えば鶴。
鶴のなかでも純白の体に黒と赤の色の端正な丹頂鶴は気高く縁起の良いものとして尊ばれてきました。
乱獲・乱開発によって今は身の回りにその野生の姿は見られませんが、私の住む大阪府の泉南地方には「鶴原」という地名があるとおり鶴は身近な鳥でした。
その美しい姿によって人々は鶴を幸せをもたらす瑞鳥としてきました。
琴古流本曲の中にも「鶴の巣籠」(巣鶴鈴慕)があります。
「鶴の一声」ということわざの通り、良く響く高いその声は江戸時代の人にとっても印象的だったのでしょう。曲中にその鶴の鳴き声を真似たところがたくさんあります。玉音・コロなどです。
また通常使わない「甲の五のハのコロ」というのもあります。これは普通に一・二指の開閉では不明瞭ですので四孔を押しも併用して鶴の鳴き声を真似しています。
お正月のゆったりした時間、この「鶴の巣籠」をお聴きいただければ幸いです。
それでは、本年もどうか宜しくお願い申し上げます。