先日、あることがきっかけで「ヒモトレ革命」という本に出会いました。ヒモを丹田中心に腰に巻いておくだけで、骨盤の位置が矯正され、腰痛等にも効果的であるという内容です。
内容的に、これは尺八の演奏での腹式呼吸にも活かすことができるのではと思いさっそく実行しました。
といっても、このヒモはきつく巻くのではありません。フワッと巻くだけなのです。お腹を膨らましたときに、そういえば巻いていたなと感じる程度に巻くのです。
私にとっては、とても効果的でした。巻くだけで、お腹だけでなく、背中側、わき腹下あたりにも空気が入っていく感覚が自然と感じられました。
さらに、息を吐いて尺八を吹いていくときには、息の腹での支えが自然と行えます。
それは、しっかりと坐骨で座っている(左右のお尻の出張っている骨で上半身を支えている)状態で骨盤の位置のバランスがよく、良い姿勢で呼吸できるからだと思われます。
その後、尺八吹奏研究会の秋季演奏会がありました。
以前の会報に書いたように、やはり人前演奏というものは緊張するものですが、すこしでも落ち着いて臨めるように、今回はこのヒモを巻いての演奏でした。
ヒモを巻いているという安心感からかもしれませんが、はじめ緊張こそしましたが呼吸もうまくいき楽でしたし、自分なりに腹の支えを感じながら、集中して最後まで演奏することができました。
ところで、最近、先生からは「しっかり音色を聞き、音の最後はプツと切らず、きれいに処理しなさい。」と言われます。
これが私にとってはなかなかむずかしいのです。
シューという風切り音のような、ビビビビという振動のようなノイズが入ったりで四苦八苦です。
結局、一番よいポイントで吹いていないということです。特に本曲では音の末尾を自然に消えるよう(虚空に消えるよう)消したい箇所が決まらないことがあります。
いつものレッスンでは最初に音出しをするのですが、例えば、ハローと鳴り始めたら、横揺り2,3回行い、「ロー」のよく鳴るポイントを探り、探せたら、そのポイントに「ロー」の音を落としていきます。
今まで、何も意識せずに、ただ単に横揺りをしていたのですが、先生から「唄口と唇の間隔、つまり縦を意識しなさい。」との指示でした。この間隔を探るということです。
何回か試しているうち、この間隔を近づきすぎず、遠からず、良い間隔を探ろうと意識を持ってみると案外それほどの苦労もなく、音をきれいに消せるようになってきました。まだ完全とは言えませんが、ノイズがなくなってきたことで演奏中のストレスも少なくなってきました。
いつのまにか習い始めてから、まる6年の歳月が過ぎました。
いろんな曲を吹くのも楽しいものですが、『単音がしっかりと腹で支えられ無理のない自然な息で、とうとうと、ろうろうと鳴り響き、そして虚空に消えていく』そのような練習をひたすらやっている方が楽しいものです。(なかなかうまくいきませんが、、、)
先生曰く、「他人が聞いても、音程のはずれた迷惑な曲を吹いているわけでないから、『やかましい』と言われることもないのでいいでしょう。」
ふーむ、なるほど。納得の一言でした。
最後に、また拙い演奏掲載しておきます。
音源「一二三鉢返し」
https://comuso.sakuraweb.com/music/375-hifumihachigaeshi.MP3
※「ヒモトレ革命」
出版社 日貿出版社
著者 ヒモトレ発案者バランストレーナー 小関 勲
武術研究者 甲野 善紀