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「プロの演奏家石川利光師の個人指導を受けて」
(音源『桔梗幻想曲』)
貴志清一
2016年12月4日、楽しみにしていました
石川利光先生の個人指導日です。
石川先生は世界的尺八奏者・横山勝也師の高弟として永らく研鑽を続けてこられました。
私のような尺八愛好家は「如何に尺八を楽しむか(苦しみを克服する楽しみも含む)」ということを追求してきたのですが、氏のようなプロの演奏家はステージ演奏も弟子への指導の時間もすべて真剣勝負になります。そんな中で培ってきた実力というものは私たちの想像をはるかに越えたすごいものがあります。
その実力派プロの石川先生が流派に関係なくワンポイントで稽古をつけていただける機会があるということで今回も申し込みをしました。曲目は琴古流の名手だった福田蘭童が作った本曲、「桔梗幻想曲」希望です。
この曲は蘭童から横山勝也、そして石川先生へと直伝の伝統が続きます。
確かにこの曲は楽譜も有りCD音源もあります。しかし曲の持っている「雰囲気」や「手」の微妙な運びは一対一の指導でないと伝わりません。今回,短い時間でしたが、
・最初の「り」の入りは軽い風のような雰囲気のナヤシから始める。
・乙「ツーー」の始まりに、ほんの少し軽い「ロ」の指から入る。
・竹によって音程が違うところは替え指も可とのこと。
・蘭童自身、替え指の研究に熱心だったこと。
以上、直接教えていただかなければ想像もできないような有益なご指導をいただきました。
短時間ですが実りのあるお稽古が終わり片付けにかかっていますと、(河野)「玉水(の地無し管)、音が良くなりましたね。」と2年前の時の"音"を覚えていてくださりお褒めの言葉をいただきました。
"地無し管は吹けば吹くほど音色が良くなる"竹ですので、その言葉は今後の音色の追求の大きな励みになりました。
教えてもらって直ぐの演奏ですが石川先生に教えていただいた成果の報告として「桔梗幻想曲」をお聴き下さい。
それでは紙面をお借りしまして石川先生に厚く御礼申し上げます。