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    音声付:コロ練習法(参考音源「巣鶴鈴慕」十段目)

                                                                    貴志清一
 
 首振り3年、コロ8年という言葉が示すように「コロ」を滑らかに演奏するためには長い練習期間がいります。
 しかし20年吹いていても30年吹いていても「コロ」を滑らかに演奏できる奏者が少ないのも事実です。その原因はその人が正しいコロの練習法を続けてこなかったことに尽きます。
 滑らかなコロができない方は今から「正しい」コロ練習法を始めましょう。断定はできませんが、以下の正しい練習法を毎日10分欠かさず実行すればコロを8年以内で習得できるかと思います。
 
 コロの練習法は単純なものです。下図を見てください。
 
 
 
 図の①②③②という動作を確実にきちんとできる速さで繰り返すのです。その時にメトロノームを使うと便利です。
 始めは一拍をメトロノーム♩=60にしてゆっくりゆっくり練習していきましょう。何年後かに♩=200ぐらいでできるようになったら今度は♩一拍に3つ音を入れましょう。Bで示したものです。
 これも一拍60くらいから始めて数年かけて♩=200でもできるようになりましょう。
 この段階になりますと「コロらしいコロ」が自ずとできるようになります。参考音源をお聴き下さい。
 (音源file「コロ1」)
 https://comuso.sakuraweb.com/music/343-koro1.mp3


○次にコロの指使いから五孔(裏)を明けるとカリ気味のコロになります。また四孔と五孔をかざしていきますとメリ気味のコロになります。現代邦楽でよく使われる手法です。
 (音源file「コロ2」)
 https://comuso.sakuraweb.com/music/343-koro2.mp3

○最後に私の専門とする琴古流本曲の「巣鶴鈴慕」などに甲の音のコロが出てきます。会報327号ではこの部分を省略しているのですが、ヒメリのコロや、ハ五のコロの音型です。
 これらは鶴の声を模したものですので、曲の中でほんの少し使われますと効果的です。また最後の部分で玉音からコロに滑らかに移行する所も味わいがあります。これらのコロはちょっとしたコツがあるのですが文字で表すとなると煩瑣になりすぎますので習得をご希望の方はお近くの琴古流の先生にお尋ね下さい。関西方面の方は当方のワンポイントレッスンをご利用下さい。
 (音声ファイル「巣鶴鈴慕10段目」)
https://comuso.sakuraweb.com/music/343-soukaku_10.mp3